こんな経験はありませんか?
- 忙しいときに限って、子どもがぐずる
- 仕事の疲れが、家で子どもに向かってしまう
- 些細なことでカッとなり、あとで自己嫌悪に陥る
- 怒鳴ったあとの、子どもの表情が忘れられない
- 「もっとちゃんとしないと」と、自分を追い込む
- パートナーには言いにくい、子育ての孤独がある
- 周りの「できている親」と比べて、落ち込む
- 怒ってばかりの自分に、疲れてしまう
イライラすることを「親として失格だ」と感じていませんか。まず知ってほしいのは、感情が生まれること自体は、自然なことだということです。
アドラーはどう見た?
アドラーは、感情を出来事から自動的にわいてくるものとは考えませんでした。感情には目的があり、その目的に沿って使われると考えました。
つまり、イライラは「わいてくるもの」であると同時に、「何かのために使っているもの」でもある、ということです。
イライラの下には、別の感情がある
怒りの下には、別の気持ちが隠れていることがあります。アドラーは、覆いの下の感情に目を向ける大切さを説きました。
- 疲れている → イライラで隠す
- 不安 → 怒りで支配しようとする
- 孤独 → 強い態度で埋めようとする
親も、完璧である必要はない
アドラーの勇気づけは、子どもだけでなく、親自身にも向けられます。感情を持つことは、弱さではありません。
なぜそうなるのか?
イライラは「手っ取り早い道具」になる
感情が目的に使われるとき、怒りは最も手軽な手段になりえます。
- 子どもを従わせたい → 大きな声を出す
- 場を早く収めたい → 怒って黙らせる
- 自分の余裕のなさから目を逸らしたい → 子どもにぶつける
手っ取り早いからこそ、手放しにくいのです。
「〜すべき」が期待を生む
「ちゃんとしつけないと」「よい親でいなければ」という思い込みが、期待と焦りを生みます。期待が裏切られると、怒りになります。
→ 詳しくは他人に期待してしまう
比較が、余裕を奪う
SNSや周囲の子と比べると、「うちは遅れている」という焦りが生まれます。焦りは、心の余白を削ります。
→ 詳しくは他人と比較してしまう
孤立が、怒りを増やす
相談できる相手がいないと、感情を一人で抱えることになります。抱えきれなくなった感情が、最も近い相手——子ども——に向かいます。
どう付き合えばいい?
1. イライラを否定しない
感じること自体を責めても、感情は強くなるだけです。
- 「怒ってはいけない」と抑える → よけいに膨らむ
- 「今イライラしている」と認める → 少し落ち着く
2. 自分の状態を先に整える
余裕のなさは、環境から来ることが多くあります。
- 睡眠と食事を後回しにしない
- 一人になれる時間を、少しでも確保する
- 助けを求めることを、遠慮しない
3. その場を一度離れる
反射的に動かない工夫をします。
- 深呼吸をして、数秒おく
- 別の部屋へ行く
- 「少し落ち着いてから話すね」と伝える
4. 「私」を主語にして伝える
相手を責める言葉は、反撃を生みます。自分の気持ちを主語にします。
- 「あなたがひどい」ではなく「私は疲れている」
- 「なんでわからないの」ではなく「私はこうしてほしい」
5. 怒ったあとの立て直しを大切にする
完璧に怒らないことは目指さなくてかまいません。大切なのは、その後の修復です。
- 「さっきは大きな声を出したね。ごめん」
- 「あれは、私の余裕がなかった」
謝ることは、上下を崩すことではありません。対等な関係の表れです。
よくある誤解
「よい親は怒らない」ではない
感情を持つことと、感情に任せて傷つけることは別です。怒りを感じる親は、それだけ何かを大切にしています。
「我慢すればよい」でもない
抑え込んだ感情は、別の場面や体の不調になって表れます。大切なのは抑圧ではなく、別の使い方を選ぶことです。
「感情を隠せ」ではない
親も人間です。「今は怒っている」と伝えるだけなら、攻撃ではありません。隠すより、穏やかに伝えるほうが関係は保てます。
