縦の関係・横の関係とは何か
アドラー心理学の重要な概念が縦の関係・横の関係です。
縦の関係
縦の関係とは、上下関係・序列化された関係です。
- 上 vs 下
- 勝者 vs 敗者
- 評価する側 vs 評価される側
横の関係
横の関係とは、対等な関係です。
- 役割は違っても、人間としては対等
- 評価ではなく、尊敬と信頼
- 競争ではなく、協力
アドラーは、人間関係の悩みは縦の関係から生まれ、幸せは横の関係から生まれると考えました。
縦の関係の特徴
上下で見る
縦の関係では、他者を上下で見てしまいます。
- 「あの人は自分より上だ」→ 劣等感、従属
- 「あの人は自分より下だ」→ 優越感、支配
評価で見る
縦の関係では、他者を評価で見てしまいます。
- 「あの人はすごい」→ 褒める
- 「あの人はダメだ」→ 叱る
評価は、上下関係を前提とします。
競争になる
縦の関係では、常に競争になります。
- 勝ちたい、負けたくない
- 上に行きたい、下に行きたくない
競争は、他者を敵として見ることです。
横の関係の特徴
対等と見る
横の関係では、他者を対等と見ます。
- 役割や能力は違っても、人間としては対等
- 上下ではなく、横並び
尊敬と信頼
横の関係では、他者を尊敬と信頼で見ていきます。
- 評価ではなく、存在そのものを尊重
- 条件付きではなく、無条件の信頼
協力
横の関係では、他者と協力します。
- 競争ではなく、協働
- 勝ち負けではなく、共に進む
なぜ横の関係なのか
縦の関係の代償
縦の関係は、代償が大きいです。
- 上に行こうとする → 不安、焦り
- 下に行かないようにする → 緊張、疲れ
- 勝ち続けることはできない → 敗北感、劣等感
縦の関係では、本当の安心は得られません。
横の関係の利点
横の関係は、安心をもたらします。
- 上下を気にしなくてよい → 楽
- 評価を気にしなくてよい → 自由
- 競争しなくてよい → 平和
横の関係では、本当のつながりが生まれます。
縦の関係から横の関係へ
1. 「上下で見ていないか」を自覚する
まず、自分が他者を上下で見ていないかを自覚します。
- 「あの人はすごい」と思うとき → 上下で見ているかもしれない
- 「自分はこの人より上だ」と思うとき → 上下で見ているかもしれない
上下で見ることを自覚します。
2. 「対等と見直す」
次に、他者に対等と見直します。
- 役割は違っても、人間としては対等
- 能力は違っても、存在としては対等
見直すには、練習が必要です。
3. 「評価せず、尊敬する」
最後に、評価せず、尊敬します。
- 「すごい」「ダメだ」と評価しない
- 「存在そのもの」を尊重する
評価から尊敬へ。これが横の関係への転換です。
横の関係と勇気づけ
横の関係は、勇気づけと深く結びついています。
- 縦の関係 → ほめる・叱る(上から下へ)
- 横の関係 → 勇気づける(対等な立場で)
勇気づけは、横の関係の中でこそ可能です。
→ 詳しくは勇気づけ
横の関係の注意点
「縦の関係がすべて悪い」ではない
縦の関係がすべて悪いわけではありません。
- 組織には役割の上下がある
- 親と子には、一定の上下関係がある
大切なのは、人間としての対等さです。役割の上下と、人間の上下は別物です。
「横の関係は簡単ではない」
横の関係は、簡単には築けません。
- 縦の関係に慣れている
- 上下で見てしまう癖がある
横の関係は、実践と練習が必要です。
「横の関係は甘やかすことではない」
横の関係は、甘やかすことではありません。
- 対等だからといって、何でも許すわけではない
- 尊敬と信頼は、責任を伴う
横の関係は、相互尊敬の関係です。
