こんな経験はありませんか?
- 新しいことに挑戦しようとして、「自分には無理だ」と思ってしまう
- 他人と自分を比べて、「自分は劣っている」と感じてしまう
- 失敗を恐れて、何もできなくなってしまう
- 「どうせ自分なんて」と、自分を値踏みしてしまう
こうした気持ちは、誰しもが一度は経験するものです。でも、それが続くと、「自分には価値がない」とさえ思えてきます。
アドラー心理学は、こうした「自信がない」状態をどう見るのでしょうか。
アドラーはどう見た?
アドラーは「自信がない」状態を、劣等感(inferiority feeling) の問題として捉えました。
人間は誰しも、劣等感を持っています。「自分は足りない」と感じる気持ち。それは自然なことです。
でも、劣等感が強くなりすぎると、人は2つの方向に分かれます。
- 劣等感をバネにして努力する
- 劣等感に押しつぶされて行動できなくなる
「自信がない」状態は、後者です。劣等感が強すぎて、自分の可能性を見失っている状態と言えます。
なぜそうなるのか?
劣等コンプレックス
アドラーは、劣等感が強まりすぎた状態を劣等コンプレックスと呼びました。
劣等コンプレックスに入ると、人はこう考えます。
「どうせ無理だ」 「自分にはできない」 「やっても無駄だ」
そして、挑戦する前に諦めてしまいます。
目的論の視点
アドラーの目的論では、人間の行動には目的があると説きます。
「自信がない」という状態も、何らかの目的のために使われています。
例えば:
- 失敗したくない → 「自信がない」を使って挑戦を避ける
- 傷つきたくない → 「自信がない」を使って人間関係距離を取る
- 努力したくない → 「自信がない」を使って努力しない理由にする
これは「あなたが悪い」という意味ではありません。人間は誰しも、こうした防衛的な目的を持つことがある、ということです。
どう付き合えばいい?
1. 劣等感を認める
まず大切なのは、劣等感を否定しないことです。
「自分は足りない」と感じることは、人間として自然なことです。アドラーも言っています。
we all share a feeling of inferiority which we struggle against
劣等感は、誰にでもある。そして、それは成長の原動力にもなります。
2. 「誰の課題か」を分ける
自信がないとき、多くの人は「他人からの評価」を気にしています。
でも、それは他人の課題です。
- あなたがどう行動するか → あなたの課題
- 他人がどう評価するか → 他人の課題
他人の評価をコントロールすることはできません。コントロールできるのは、自分の行動だけです。
3. 小さな成功体験を積む
自信は「持つもの」ではなく「築くもの」です。
大きな目標を立てる必要はありません。小さな目標を立てて、それを達成する。その積み重ねが、自信になります。
アドラーは言いました。
The proper treatment for such persons is to encourage them, never to discourage them. We must make them understand that they are capable of facing difficulties and solving the problems of life.
「自分にもできる」という体験が、自信を築きます。
4. 他者貢献を感じる
アドラーは、人間の幸福は他者貢献にあると説きました。
「自分は役に立っている」「自分の存在は意味がある」——そう感じるとき、人は自信を持てます。
他者貢献とは、他人に認められることではありません。自分が「貢献できた」と感じることです。
