こんな経験はありませんか?
- 朝、職場に行くと胃が痛くなる
- 上司の顔を見るだけで憂鬱になる
- 同僚との会話に気を遣いすぎて疲れる
- 「自分は職場に必要ないのではないか」と感じる
- 残業が多く、プライベートがない
こうした気持ちは、誰しもが一度は経験するものです。でも、それが続くと、「自分は社会に必要ない」「生きている価値がない」とさえ思えてきます。
アドラー心理学は、こうした「職場のつらさ」をどう見るのでしょうか。
アドラーはどう見た?
アドラーは「すべての悩みは対人関係にある」と説きました。
でも、それは「対人関係が問題だ」という意味ではありません。「対人関係の中でしか、悩みは生まれない」という意味です。
職場は、人間関係が最も濃密になる場所です。だからこそ、悩みも深くなります。
職場の3つの課題
アドラーは、人生には3つの課題があると説きました。
- 仕事の課題 — 職業的な人間関係
- 交友の課題 — 友人との関係
- 愛の課題 — パートナーとの関係
職場は、この3つが混在する場所です。
- 仕事上の付き合い(仕事の課題)
- 同僚との友情(交友の課題)
- 上司・部下との上下関係(独自の課題)
だからこそ、職場はつらくなりやすいのです。
なぜそうなるのか?
課題の分離
アドラー心理学で最も実践的なのが課題の分離です。
「これは誰の課題か?」
- あなたがどう働くか → あなたの課題
- 上司がどう評価するか → 上司の課題
- 同僚がどう思うか → 同僚の課題
他人の評価は他人の課題。あなたが集中すべきは、自分の課題です。
承認欲求の罠
多くの人は「上司に認められたい」「同僚に好かれたい」と思います。これを承認欲求と呼びます。
承認欲求自体は悪いことではありません。でも、それが強くなりすぎると:
- 上司の顔色ばかり窺う
- 同僚に合わせすぎて疲れる
- 自分の本当の気持ちを隠す
そして、疲弊していきます。
共同体感覚の欠如
アドラーは、人間の幸福は共同体感覚にあると説きました。
共同体感覚とは、「自分はここにいていい」という感覚です。「自分は他者に貢献できている」という実感です。
職場でこの感覚が欠如すると:
- 「自分は必要ない」と感じる
- 「ここにいてはいけない」と思う
- 「誰も自分のことを理解していない」と思う
そして、つらくなります。
どう付き合えばいい?
1. 課題を分離する
まず大切なのは、課題を分離することです。
- あなたがどう働くか → あなたの課題
- 上司がどう評価するか → 上司の課題
上司の評価をコントロールすることはできません。コントロールできるのは、自分の行動だけです。
「上司にどう思われるか」を気にするのではなく、「自分がどう振る舞うか」に集中しましょう。
2. 他者貢献を感じる
アドラーは、人間の幸福は他者貢献にあると説きました。
「自分は役に立っている」「自分の存在は意味がある」——そう感じるとき、人はつらさを乗り越えられます。
他者貢献とは、他人に認められることではありません。自分が「貢献できた」と感じることです。
- 同僚の助けになる
- お客様の役に立つ
- チームの力になる
こうした実感が、職場での生きがいにつながります。
3. 「嫌われる勇気」を持つ
『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)という本が有名にしましたが、これはアドラーの思想を現代風に解釈したものです。
「嫌われる勇気」とは、無鉄砲に嫌われることではありません。自分の信念に従って生きる勇気です。
- 言いたいことを言う(ただし、相手を尊重して)
- 断りたいときは断る(ただし、丁寧に)
- 自分が信じたいことを信じる(ただし、柔軟に)
全員に好かれる必要はありません。でも、「この人たちの力になりたい」と思える関係が一つあれば、それで十分です。
4. 環境を変える選択肢も
アドラーは「人間は変えられる」と説きました。
もし職場があまりにつらいなら、環境を変える選択肢もあります。
- 部署異動を希望する
- 転職を考える
- 働き方を変える(時短、リモート等)
「我慢するのが社会人だ」と思う必要はありません。あなたの健康と幸福が最も大切です。
