自己決定論とは何か
アドラー心理学の基本理論の一つが自己決定論です。
自己決定論とは、人間は自分の行動を自分で決められるという考え方です。
- 過去に何があったか → それは事実
- これからどうするか → あなたが決める
アドラーは、人間は環境や過去の産物ではなく、自らを創造する存在だと考えました。
自己決定論の基本
過去に決められない
多くの心理学は、過去の出来事が現在の行動を決めると考えます。
- トラウマがある → 今の不安の原因
- 親にこう育てられた → だからこうなった
アドラーはこれを否定しました。過去は解釈の材料であり、行動の原因ではないと考えました。
環境に決められない
同じように、環境も行動を決めません。
- 貧しい家庭に生まれた → だから成功できない
- 悪い友人がいる → だから非行に走る
アドラーは、環境は制約条件ではあっても、行動を決定するものではないと考えました。
自分で決める
では、何が行動を決めるのか。
それは自分自身です。
- 過去がどうであれ、あなたがどう生きるかを決める
- 環境がどうであれ、あなたがどう対応するかを決める
アドラーはこれを「創造的自己」と呼びました。
なぜ自己決定なのか
責任と自由
自己決定論は、自由と責任の理論です。
- あなたは自由である → 自分の生き方を選べる
- あなたは責任を持つ → その選択の結果を引き受ける
これは重いことですが、同時に希望でもあります。過去や環境のせいにしなくてよい、ということです。
変化の可能性
自己決定論は、変化の可能性を保証します。
- 過去は変えられない → でも、これからの選び方は変えられる
- 環境は変えられないかもしれない → でも、環境への対応は変えられる
「変われない」のではなく、「変えないことを選んでいる」だけかもしれません。
自己決定論の実践
1. 「何を決められるか」を考える
まず、自分が何を決められるかを考えます。
- 過去の出来事 → 変えられない
- 他人の行動 → 変えられない
- 自分の選択 → 変えられる
変えられるものに集中することが、自己決定の第一歩です。
2. 「何を選んでいるか」を自覚する
次に、自分が何を選んでいるかを自覚します。
- 「変われない」を選んでいるかもしれない
- 「諦める」を選んでいるかもしれない
- 「他人のせいにする」を選んでいるかもしれない
選択を自覚することで、別の選択が可能になります。
3. 「どうしたいか」を問う
最後に、**「どうしたいか」**を自分に問います。
- 過去にどう影響されたかではなく、これからどうしたいか
- 環境がどうであるかではなく、どうありたいか
この問いが、自己決定の出発点です。
自己決定論の注意点
「自己責任」とは違う
自己決定論は「自己責任論」ではありません。
- 自己責任論 → すべて自分のせい
- 自己決定論 → 自分で選べる、だから変えられる
自己決定論は、責めるためではなく、変えるための理論です。
「何でもできる」わけではない
自己決定論は「何でも思いのままになる」というわけではありません。
- 制約はある → でも、制約の中でどう生きるかは選べる
- 限界はある → でも、限界をどう受け止めるかは選べる
自己決定は、与えられた条件の中でどう生きるかを選ぶことです。
